11月に入ると、庭の木も冬支度を始めます。「落ち葉が落ちきる前に枝を減らしたい」「年末までに庭をすっきりさせたい」と、剪定ばさみを手に取りたくなる時期ではないでしょうか。
結論からお伝えすると、11月に剪定していいのは葉が落ちた落葉樹とマツなどの針葉樹です。まだ葉が青い木、カシやシマトネリコなどの常緑広葉樹、花芽がついている花木は、11月は待つのが基本です。
この記事では、11月の庭木を「葉が落ちたか」「花芽がついているか」の2つで見分ける方法と、11月に切っていい木・待つ木、12月以降に回す作業を、埼玉県の街路樹剪定マニュアルや福井県・長野県の技術資料、日本花の会の資料をもとに解説します。
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🐱 松葉「11月になったので、庭の木を全部まとめて切ってしまいます!」
👴 松之助「待つんじゃ。11月は、切っていい木と待つ木がはっきり分かれる月じゃよ」
11月の剪定は「葉が落ちたか」「花芽があるか」で決める

Q. 11月に庭木を剪定してもいいですか?
A. 木によります。埼玉県の街路樹剪定マニュアルは、落葉樹の剪定の適期を「晩秋から早春の芽出し前の落葉期間」としています。葉が落ちた落葉樹は、11月から剪定を始められます。一方、同マニュアルは、まだ葉の青いうちに枝を切る「秋早い剪定」と、暖地性の常緑広葉樹の厳冬期の剪定を「絶対に避けなくてはならない」剪定に挙げています。
Q. 10月との違いは何ですか?
A. 10月は「常緑か落葉か」と「花が咲いている、またはつぼみがついているか」で判断しましたが、11月は落葉が進むため、「葉が落ちきったか」と「来年の花芽がついているか」の2つで判断します。10月の考え方は10月に剪定していい木と待つべき木の見分け方で解説しています。
| 木の状態 | 11月にできること | 例 |
|---|---|---|
| 葉が落ちた落葉樹 | 不要な枝を付け根から切る剪定(冬期剪定の始まり) | カキ・ナシ・サルスベリ・ケヤキ |
| 常緑針葉樹 | 枝抜き。マツは「もみあげ」(大鋏で刈り込まない) | マツ・スギ・ヒノキ |
| まだ葉が青い落葉樹 | 切らずに待つ(落葉後) | モミジ・ハナミズキ(ハナミズキは落葉後も花芽に注意) |
| 常緑広葉樹 | 強い剪定は避け、飛び出した枝を軽く整える程度 | カシ・シラカシ・シマトネリコ・モチノキ |
| 花が咲いている木 | 切らない(花後に) | サザンカ・カンツバキ |
| 花芽がついている花木 | 混んだ枝を軽く抜く程度。枝先は切り詰めない。サクラは太い枝を切らない | ウメ・コブシ・ハナミズキ・サクラ |
🐱 松葉「葉が落ちたかどうかを見るだけなら、わたしにもできそうです!」
👴 松之助「そうじゃ。木が『今年の仕事は終わった』と教えてくれる合図が落葉なんじゃよ」
11月に剪定していい木
葉が落ちた落葉樹(カキ・ナシ・サルスベリ、サクラは細い枝のみ)
落葉樹は、葉が落ちると休眠に入ります。埼玉県のマニュアルは、落葉樹の剪定は「ダメージを最小限度とするために休眠している冬期に行い、枝のバランスを見ながら樹木全体の骨格をつくる」としています。葉がないので枝ぶりが見やすく、剪定がしやすい時期です。ただし、サクラのように太い枝を切ると衰弱しやすい木もあります。
- サクラ:埼玉県のマニュアルは、街路樹のサクラ類を「剪定を厳禁とするサクラ類」と呼び、冬期剪定の時期にはすでに花芽ができているとしています。公益財団法人日本花の会は、剪定する場合の時期を「落葉後の11月-3月上旬」とし、「桜は枝の切口から腐りやすく、太い枝を切ると木が衰弱する原因となります」としています。両資料を合わせると、切るなら剪定ばさみで切れる細い不要枝にとどめ、太い枝を切ることと枝先を切り詰めることは避けるのが安全です(当サイトの案内)。詳しくはサクラの剪定時期はいつ?秋に切らない理由と正しい切り方をご覧ください。
- カキ・ナシなどの落葉果樹:福井県の果樹管理資料は「この時期の葉で合成された養分は、来春からの生育のために枝、幹、根に貯蔵されるため、樹体生育上は落葉を待ってせん定作業に取組むのがよい」とし、作業が遅れる場合は「11月中旬頃からせん定を始める」としています。葉が残っているうちは待ちます(実を採る果樹としての手入れです。花を楽しむ庭のウメは後述)。
- サルスベリ:その年に伸びた枝に花が咲くため、埼玉県のマニュアルは剪定時期を「花後から翌年の3月頃までの間」としています。落葉後の冬も剪定できます。夏の切り戻しとの違いはサルスベリ(百日紅)の夏剪定で解説しています。
ただし、ウメのように冬の時点で花芽ができている花木は、落葉していても枝先を切り詰めると花が減ります。扱いは後述の「花芽がついている花木」をご覧ください。
マツなどの常緑針葉樹(枝抜きと「もみあげ」)
埼玉県のマニュアルは冬期剪定について「寒さに強い常緑針葉樹の枝抜きや軽い切り詰めもこの時期が適期である」としています。スギ・ヒノキなどは、混んだ枝を元から抜く程度の手入れを11月から行えます。マツは、長野県の資料が、秋に枝葉を刈り込んで形を整えるとマツが衰弱するとしているため、枝抜きと「もみあげ」だけにします。
マツは、秋に古い葉を手でむしり取る「葉むしり(もみあげ)」の季節です。長野県林業総合センターの資料は、「秋に、昨年の古葉と今年の葉の一部分を手で軽くむしりとる」作業で風通しと日当たりがよくなり、「この時期に、枯れ枝や混みすぎている枝を、はさみで元から切ります」としています。なお、新芽を摘む「みどり摘み」は5月の作業で、11月には行いません。松の剪定を自分でやる危険についてはお正月前にやってはいけない!松の素人剪定が危険な3つの理由をご覧ください。
キンモクセイ(花後の軽い剪定は11月まで)
9月下旬〜10月に咲いたキンモクセイは、花が終わった10月下旬〜11月に、飛び出した枝を整える軽い剪定ができます。寒さにやや弱い木なので、12月以降は大きく切りません。切り方はキンモクセイの剪定時期は?花を咲かせる切り方と注意点で解説しています。
🐱 松葉「松のもみあげって、古い葉を手でむしるんですね。はさみでジャキジャキやるのかと思ってました」
👴 松之助「はさみで刈ると松は弱るんじゃ。手でそっと、が基本じゃよ」
11月は待つべき木
まだ葉が青い落葉樹(モミジ・ハナミズキなど)
11月に入っても葉が残っている木は、まだ冬支度の途中です。埼玉県のマニュアルは、葉の青いうちに枝を切る「秋早い剪定」について、「夏の間に葉に貯めた栄養分を樹体に蓄積できない上に、秋の再萌芽を余儀なくされ、不時に展開した若葉はそのまま冬を迎えすぐに枯死することになる」と説明し、「絶対に行ってはならない」としています。なお、ハナミズキは葉が落ちたあとも枝先に来年の花芽がついているので、落葉後は後述の「花芽がついている花木」として扱います。
川崎・横浜のモミジは11月下旬〜12月に紅葉します。本格的な剪定は葉が落ちた12月〜2月上旬に行います。詳しくはモミジの剪定時期は?紅葉を守る切り方と注意点をご覧ください。
常緑広葉樹(カシ・シラカシ・シマトネリコ・モチノキなど)
一年中葉がある常緑広葉樹は、冬も活動を続けています。埼玉県のマニュアルは、暖地性の常緑広葉樹について「特に厳冬期の剪定は、切断面が寒さに曝され、そこから枯れ込む危険性が大きい」とし、関東など寒地では「ほどなく降霜・寒風期となるので、わずかに残された枝葉が傷まないよう、11月以後の強い剪定は慎む方が良い」としています。木を小さくするために古い枝の部分で切り詰める剪定は「秋から冬期に行うと枯れ込む可能性が高いので絶対に避けるべき」で、適期は新芽がふくらみ始める「4月上・中旬頃」です。
11月にできるのは、飛び出した枝を軽く切りそろえる程度です。「大きくなりすぎたので小さくしたい」という剪定は、春まで待ってください。
花が咲いている木(サザンカ・カンツバキ)
サザンカやカンツバキは、まさに11月が花の時期です。咲いている間は切らず、花が終わった3〜4月に剪定します。切り忘れた枝があっても、今から切ると花ごと落とすことになるので待ちます。詳しくはサザンカの剪定時期は?9月に切る枝・花を残す方法をご覧ください。
花芽がついている花木(ウメ・コブシ・ハナミズキなど)
春に咲く花木の多くは、前の年の夏から秋に来年の花芽をつくります。埼玉県のマニュアルは、サクラ類・コブシ・ハナミズキなどについて「『冬期剪定』の時期には、すでに花芽が出来ている」とし、「花木の冬期剪定を行う場合は、花芽を持った過密枝の『軽度な枝透かし剪定』程度に止める」としています。
11月に切るなら、混み合った枝を付け根から数本抜くだけにし、枝先を一律に切り詰めることは避けます。ウメは落葉後の12月〜1月に花芽を確認しながら混んだ枝を整理します(梅の剪定時期と方法)。ツツジやアジサイは花後に剪定する木で、11月は切りません(アジサイの剪定方法)。
🐱 松葉「シラカシが大きくなりすぎたので、今のうちにバッサリ低くします!」
👴 松之助「それは春まで待つんじゃ。冬に太い枝を切ると、切り口から枯れ込むんじゃよ」
3つの質問でわかる見分け方

庭の木の前に立って、順番に確かめてみてください。
- 葉は一年中ついている木ですか?
「はい」で針のような葉(マツ・スギ・ヒノキ)なら、枝抜きができます(マツは刈り込まず、もみあげだけにします)。「はい」で広い葉(カシ・シマトネリコ・ツバキなど)なら、強い剪定は春まで待ちます。「いいえ」なら次へ。 - 葉は落ちきりましたか?
まだ青い葉が残っていれば待ちます。落ちきっていれば次へ。 - 春の花を楽しむために育てている木ですか?
「はい」(ウメ・コブシ・ハナミズキ・サクラなどの花木)なら、混んだ枝を軽く抜くだけにします。「いいえ」(カキ・ナシなどの果樹、サルスベリ・ケヤキなど)なら、11月から本格的な剪定ができます。カキやナシも春に花は咲きますが、福井県の資料のとおり落葉後に剪定する果樹です。
11月から冬にかけての庭仕事の順番
| 時期 | やること |
|---|---|
| 11月上旬 | キンモクセイの軽い剪定、落ち葉掃除の開始(マツのもみあげは秋の作業) |
| 11月中旬〜下旬 | 葉が落ちた木から順に剪定(カキ・ナシ・サルスベリなど。サクラは細い不要枝だけ) |
| 12月〜2月上旬 | モミジの剪定、ウメの冬剪定(12〜1月)、寒肥 |
| 1〜2月 | バラの冬剪定 |
| 3〜4月 | サザンカ・ツバキの花後剪定、常緑広葉樹の強い剪定(4月上・中旬) |
12月の落ち葉掃除のコツは【12月の庭仕事】落ち葉掃除が大変…無理なくきれいにするコツ、年間の流れは庭木の年間お手入れカレンダーにまとめています。
🐱 松葉「葉が落ちるのを待つあいだ、わたしは何をすればいいですか?」
👴 松之助「落ち葉掃除じゃ。待っている間に仕事はいくらでもあるんじゃよ」
自分で切るときの注意
- 切るのは不要な枝だけ:枯れ枝、他の枝と交差している枝、幹の内側に向かう枝、まっすぐ強く伸びた徒長枝を、付け根から切ります。枝先を一律に刈り込むと、春に細い枝が密集します。
- 太い枝は無理をしない:剪定ばさみで切れない太さの枝は、のこぎりが必要です。高い位置の太い枝は、落下や脚立からの転落の危険があるので、専門業者に相談してください。
- 常緑広葉樹を「ついでに」切らない:落葉樹を切る流れで、隣のカシやツバキまで強く切ってしまいがちな時期です。常緑広葉樹は春まで待ちます。
- 作業は暖かい時間帯に短く:11月は朝晩が冷え込みます。日中の暖かい時間に、こまめに休憩を入れて作業しましょう。
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よくある質問
Q. 11月に入っても葉が落ちない木は、いつ切ればいいですか?
A. 葉が落ちきってからです。川崎・横浜では、モミジは12月に入ってから落葉が終わることが多いので、12月〜2月上旬に剪定します。ハナミズキは落葉後も花芽がついているので、混んだ枝を軽く抜く程度にとどめます。
Q. 生垣のカシやレッドロビンが伸びています。11月に刈ってもいいですか?
A. 飛び出した枝を軽く切りそろえる程度なら問題ありません。高さを下げる、古い枝の部分で切り詰めるといった強い剪定は、切り口から枯れ込むおそれがあるため、春(4月)まで待ちます。
Q. 松のもみあげは自分でもできますか?
A. 低い松で手が届く範囲なら可能です。長野県の資料にあるとおり、昨年の古い葉と今年の葉の一部を手で軽くむしり取ります。今年の葉を全部取らないようにし、はさみで葉を刈らないでください。高い松や、形を整える剪定は専門業者にご相談ください。
🐱 松葉「11月は『葉が落ちた木から順番に』ですね。覚えました!」
👴 松之助「うむ。急いで切るより、木の合図を待つほうが、春にきれいな庭になるんじゃよ」
まとめ:11月は「葉が落ちた木から順番に」
- 11月に剪定していいのは、葉が落ちた落葉樹(カキ・ナシ・サルスベリなど。サクラは細い不要枝だけ)とマツなどの常緑針葉樹
- まだ葉が青い木(モミジなど)は、落葉後(モミジは12月〜2月上旬)に。ハナミズキは落葉後も花芽を残して軽く抜くだけ
- 常緑広葉樹(カシ・シマトネリコ・ツバキなど)の強い剪定は、春の4月まで待つ
- 花芽のある花木(ウメ・コブシ・ハナミズキ)は、混んだ枝を軽く抜くだけにする。ツツジ・アジサイは11月は切らない
- 咲いているサザンカ・カンツバキは切らない
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参考資料
- 埼玉県「街路樹剪定マニュアル」(令和2年12月)5.2 樹木の生育サイクルと剪定時期、5.2.2 厳禁とする剪定、5.2.3 花木の剪定、5.3.8 常緑街路樹の剪定(2)剪定の時期 https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/4144/gairozyusenntei1.pdf
- 福井県「今月の果樹管理 2023年11月(令和5年10月の現況と11月の対策・果樹)」整枝・せん定(おもにウメ、ナシ、カキ) https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/noushi/kongetsu/kongetsu2023_d/fil/kajyu2311.pdf
- 長野県林業総合センター「ミニ技術情報 No.11 マツの剪定」(1999年5月)みどりつみ・葉むしり(もみあげ) https://www.pref.nagano.lg.jp/ringyosogo/joho/minigijutsu/documents/mini11.pdf
- 公益財団法人日本花の会「整枝・剪定」(サクラの剪定時期) https://www.hananokai.or.jp/sakura/sakuramihonen-info/sakuramihonen-info-list7/
※この記事の内容は、上記の出典を2026年11月に確認して作成しました。
