秋に葉を食べる虫の見分け方|庭木の害虫5種と冬前の対策

秋の庭木の害虫を冬越し前に点検する松之助と松葉

秋になって、ミカンの葉が食べられていたり、ツバキやバラの葉に虫がついていたりして、「この虫は何?冬になればいなくなる?」と迷う方は多いのではないでしょうか。秋に見かける虫は、種類によって冬の越し方がまったく違います。蛹(さなぎ)で越すもの、幼虫のまま葉の中で越すもの、卵や繭(まゆ)で越すものがあり、今やることも変わります。

この記事では、秋の庭木で葉を食べる代表的な虫5種(アゲハの幼虫・ハマキムシ・チュウレンジハバチ・チャドクガ・イラガ類)の見分け方と、素手で触ってはいけない虫の安全な対処、冬越し前にやっておきたいことを解説します。

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4コマ漫画:秋の虫は蛹・卵・繭など姿を変えて冬を越すと松之助が松葉に説明する

🐱 松葉「師匠、ミカンの葉が食べられています!でも、もうすぐ冬だから放っておいても大丈夫ですよね?」

👴 松之助「そうとは限らんのう。虫は姿を変えて冬を越すんじゃ。まずは何の虫かを見分けるところからじゃよ」

目次

秋に庭木の葉を食べる虫は?

Q. 秋に庭木の葉を食べている虫は何ですか?
A. つく木と見た目でおおよそ見分けられます。ミカンやレモンなどの柑橘類ならアゲハの幼虫、葉が巻かれたりつづり合わされたりしていればハマキムシ、バラの葉に群がるイモムシ状の虫はチュウレンジハバチの幼虫、ツバキ・サザンカの毛虫はチャドクガ、サクラやカキにつくトゲのある虫はイラガ類が代表的です。

虫つきやすい木見分けるポイント冬の越し方
アゲハの幼虫ミカン・レモンなどの柑橘類若い幼虫は黒っぽい地に白い模様で鳥のフンに似る。大きくなると緑色蛹
ハマキムシチャ・カキ・柑橘類・常緑の庭木など葉を巻いたり、つづり合わせたりした中に緑色の幼虫がいる幼虫のまま、巻いた葉の中
チュウレンジハバチバライモムシ状の幼虫が、若いうちは群がって葉を食べる。成長すると約1.5cm土の中の繭
チャドクガツバキ・サザンカ・チャ葉裏に群がる毛虫。秋〜冬は葉裏に黄色い毛玉状の卵のかたまり卵(葉裏の卵塊)
イラガ類サクラ・カキ・ウメ・モミジなどナマコのような形で、体にトゲのある黄緑色の幼虫繭(枝や幹など)
秋の庭木の虫3ステップ(虫を見分ける・毛やトゲのある虫は触らない・冬越し前に葉裏の卵や巻いた葉、落ち葉を片付ける)の図解

この5種のうち、チャドクガとイラガ類は素手で触ってはいけない虫です。葉を食べる虫を見つけたら、取り除く前に毛やトゲがないかを確認してください。10月はまだチャドクガやイラガ類の幼虫が残っていることがあります。その後、チャドクガは葉裏の卵塊、イラガ類は繭の姿で冬を越します。卵塊には毒の毛が、繭には毒針が付いているものがあるため、見つけても素手で触らないでください。

🐱 松葉「見つけたら、すぐ手でつまんで取ればいいんですよね!」

👴 松之助「待つんじゃ。毛やトゲのある虫は触ってはいかん。先に相手を確かめるのが鉄則じゃぞ」

素手で触ってはいけない虫:チャドクガとイラガ類

チャドクガ(ツバキ・サザンカ・チャ)

チャドクガは、ツバキ・サザンカ・チャなどツバキ科の木につく毛虫です。幼虫は基本的に年2回発生し、1回目は4〜6月ごろ、2回目は8〜10月ごろです(自治体によって案内に幅があり、横浜市と神奈川県衛生研究所は1回目を5〜6月、2回目を9〜10月としています。年によっては3回発生することもあります)。秋(9〜11月ごろ)に現れた成虫が葉の裏に卵を産み、黄色い毛玉状の卵のかたまり(卵塊)で冬を越します。

チャドクガの毒針毛(どくしんもう)は、卵から成虫までのすべての段階にあり、脱皮した殻や死んだ幼虫にも残ります。殺虫剤で幼虫が死んでも毒針毛は残るため、処理した後の枝葉にも素手で触らないでください。秋に成虫(ガ)を見つけても、殺虫剤はかけないでください。板橋区は、殺虫剤をかけると暴れて毒針毛が飛び散るおそれがあるとしています。

  • 服装:帽子・長袖・長ズボン・ゴム手袋・マスク・メガネで、肌をできるだけ出さない
  • 取り除き方:幼虫が葉にかたまっているうちに、その一帯にビニール袋をかぶせ、枝ごと切り取って袋の口を閉じて処分する
  • 秋〜冬の卵塊:葉裏に黄色い毛玉状のかたまりを見つけたら、葉や枝ごと切り取り、ビニール袋に入れて処分する

毛虫を1匹ずつ取ろうとせず、群れごと袋で覆って枝ごと切り取るのが、自治体も案内している安全な方法です。刺されたときの応急処置は、チャドクガの駆除方法と刺された時の応急処置をご覧ください。

イラガ類(サクラ・カキ・ウメ・モミジ)

イラガ類の幼虫は、ナマコのような形で体にトゲがあり、初夏から秋(6〜10月ごろ)に見られます。トゲに触れると激しい痛みをともなう皮膚炎を起こすため、素手で触ってはいけません。

イラガ類は繭の中で冬を越します。繭をつくる場所は種類によって違い、イラガは枝、ヒロヘリアオイラガは幹につくります。ヒロヘリアオイラガは繭にも毒針が付いているため、落葉後に繭を見つけても素手で触らないようにしましょう。

🐱 松葉「死んだ毛虫や抜け殻にも毒の毛が残るんですね。知らずに触るところでした!」

👴 松之助「そうじゃ。薬をかけて終わりではないんじゃよ。袋に入れて片付けるまでが駆除じゃ」

葉を食べるイモムシ3種の見分け方と対処

アゲハの幼虫(ミカン・レモンなどの柑橘類)

アゲハの幼虫は、ミカン・レモン・ユズ・サンショウなどミカン科の木の葉を食べるイモムシです。若い幼虫は黒っぽい地に白い模様があって鳥のフンのように見え、大きくなると緑色に変わります。つつくと頭の後ろから黄色いツノ(臭角)を出し、強い臭いを放ちます。

アゲハは春から秋に数回発生し、秋の幼虫は9〜10月ごろに見られ、蛹で冬を越します。幼虫はやわらかい新芽や新葉を食べます。植え付けたばかりの苗木では、新芽や新葉を食べつくされて丸坊主になることもあります。柑橘類の木は葉の表と裏をよく見て、幼虫や卵を見つけたら早めに取り除きましょう。園芸メーカーも、発生初期の卵や幼虫を捕まえて取り除く方法を案内しています。

ハマキムシ(巻いた葉の中にいる)

ハマキムシは、葉を巻いたり、数枚の葉をつづり合わせたりして、その中で葉を食べるガの幼虫です。チャハマキやチャノコカクモンハマキなどが知られ、チャのほかカキ・柑橘類・常緑の庭木にもつきます。幼虫は緑色〜暗い緑色で、成長すると2〜2.5cmほどになります。

ハマキムシは年に4〜5回発生し、最後の世代の幼虫は巻いた葉の中で冬を越します。葉の中に隠れているため薬剤がかかりにくく、見つけたら巻いた葉ごと摘み取るのが基本です。秋のうちに摘み取っておけば、中で冬を越そうとしている幼虫ごと取り除けます。

チュウレンジハバチ(バラ)

チュウレンジハバチは、バラにつくハチの仲間です。幼虫はイモムシ状で、若いうちは群がって葉を食べ、成長すると約1.5cmになります。短い期間で太い葉脈だけを残して食べつくします。成虫はバラの枝に傷をつけて卵を産みます。

ハバチの仲間は春から秋に発生し、秋以降は幼虫が土の中の繭で冬を越します。幼虫を見つけたら、群がっている葉ごと切り取って処分しましょう。

🐱 松葉「蛹に、葉っぱの中に、土の中…。みんな隠れ場所が違うんですね!」

👴 松之助「じゃから、虫ごとに見る場所を変えるんじゃよ。葉の表だけ見て安心してはいかんのう」

葉だけでなく幹も確認:根元の粉はテッポウムシのサイン

葉は食べられていないのに木に元気がないときは、幹と根元を見てください。根元におがくずのような粉が落ちていて、近くの幹に穴があれば、テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)が幹の中にいるサインです。テッポウムシは木の中で1〜2年かけて育つため、冬の間も幹の中に残ります。見つけ方と駆除の手順はテッポウムシ(カミキリムシ)の見つけ方と駆除で詳しく解説しています。

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冬越し前にやること:10〜11月の点検リスト

Q. 秋に見つけた虫は、冬になれば自然にいなくなりますか?
A. 姿は見えなくなりますが、いなくなるわけではありません。アゲハは蛹、ハマキムシは巻いた葉の中の幼虫、チュウレンジハバチは土の中の繭、チャドクガは葉裏の卵、イラガ類は繭(イラガは枝、ヒロヘリアオイラガは幹)で冬を越し、翌年また発生します。

  1. ツバキ・サザンカの葉裏を見る:毛虫や黄色い毛玉状の卵塊があれば、肌を出さない服装で枝葉ごと切り取って袋へ
  2. 巻いた葉・つづられた葉を摘み取る:ハマキムシの幼虫ごと処分する
  3. 柑橘類とバラの葉を見る:アゲハやチュウレンジハバチの幼虫がいれば取り除く
  4. サクラ・カキ・ウメ・モミジの枝と幹を見る:イラガ類の幼虫や繭に素手で触らない
  5. 幹と根元を見る:おがくず状の粉と穴がないか確認する
  6. 落ち葉と剪定枝を片付ける:害虫や病原菌の越冬場所を減らす

葉が落ちたあとの冬は、枝や幹が見やすくなり、点検と対策を進めやすい時期です。冬にできる対策は冬こそ虫退治のチャンス!春に差がつく害虫対策でまとめています。ツバキやサザンカを育てている方は、サザンカの剪定時期もあわせてご確認ください。

🐱 松葉「落ち葉の片付けも、りっぱな虫対策になるんですね!」

👴 松之助「その通りじゃ。薬をまくだけが対策ではないんじゃよ」

薬剤を使うときに確認すること

Q. 庭木の虫にはどの殺虫剤を使えばいいですか?
A. 商品ラベルの適用表に、使いたい木(作物名)と退治したい虫(適用害虫名)の両方が載っている薬剤を選びます。たとえばツバキのチャドクガなら「つばき類」と「チャドクガ」、バラのチュウレンジハバチなら「ばら」と「チュウレンジハバチ」、ミカンのアゲハなら「かんきつ」と「アゲハ類」の表記を確認します。

  • ラベルを読む:適用作物・使用濃度・使用回数・使用上の注意を守る
  • 実を食べる木は特に注意:ミカンなど収穫して食べる木は、ラベルにある使用時期(収穫何日前まで使えるか)と使用回数を必ず守る
  • 時間帯と天気:強い風の日や日中の高温時は避け、風のない朝夕の涼しい時間に散布する。半日ほど雨の降らない日を選ぶ
  • 服装:農薬用マスク・メガネ・手袋・帽子・長袖で肌の露出を減らす
  • 周囲への配慮:風向きを考え、通行人・家屋・洗濯物・ペット・車に薬剤がかからないようにする

農薬登録がないのに「虫が寄りつかない」などと書かれた資材について、農林水産省は無登録農薬の疑いがあるとして注意を呼びかけています。庭木の虫退治には、農林水産省の登録番号がある農薬をラベルの表示どおりに使ってください。庭木全体の消毒については庭木の消毒の進め方も参考になります。

※本記事は一般的な情報提供です。薬剤の使用は各製品の表示・注意事項に従ってください。効果や安全性を保証するものではありません。

自分でやる?プロに任せる?

手の届く高さで、毛やトゲのないイモムシを葉ごと取り除く作業は、ご自身でも行えます。次のような場合は、無理をせず専門業者に相談するのが安全です。

  • 3m以上の高い木に毛虫がついている
  • チャドクガやイラガ類が複数の木に広がっている
  • お子さんやアレルギー体質の方がいて、毒針毛が心配
  • 幹に穴があり、木が弱ってきている

御庭番.comでは、川崎市・横浜市を中心に、庭木の害虫駆除・消毒・剪定を承っています。虫と木の写真をLINEでお送りいただければ、どの虫か、どう対処するかを一緒に確認できます。

🐱 松葉「虫はみんな冬支度をするんですね。わたしもコタツで繭になって、春まで冬を越します!」

👴 松之助「お前は虫じゃない!!冬を越す前に落ち葉を片付けるんじゃ!!」

まとめ

  • 秋に葉を食べる虫は、つく木と見た目で見分ける(柑橘=アゲハ、巻いた葉=ハマキムシ、バラ=チュウレンジハバチ、ツバキ・サザンカ=チャドクガ、サクラ・カキ=イラガ類)
  • チャドクガとイラガ類は素手で触らない。チャドクガは脱皮殻や死んだ幼虫にも毒針毛が残る
  • 虫は蛹・幼虫・卵・繭など、種類ごとに違う姿で冬を越すため、冬になっても自然にはいなくならない
  • 10〜11月は、葉裏の卵塊・巻いた葉・幹と根元を点検し、落ち葉を片付ける
  • 薬剤はラベルの適用作物と適用害虫を確認し、風のない朝夕の涼しい時間に散布する

「この虫が何かわからない」「高い木に毛虫がいて手が出せない」という方は、LINEで写真を送ってご相談ください。枝に白いフワフワがつくアオバハゴロモの駆除方法や、幹に白い粒がつくカイガラムシの駆除方法もあわせてご覧ください。

参考・出典

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