「大切にしていたサクラの木の根元に、おがくずみたいな粉が落ちている」「庭木の幹に小さな穴があいて、木が元気をなくしてきた」——そんなときは、テッポウムシのしわざかもしれません。
テッポウムシはカミキリムシの幼虫のこと。木の内部を食べ進むため、気づかずに放置するとバラやサクラ、イチジクなどの大切な庭木が枯れてしまうこともある、やっかいな害虫です。
この記事では、テッポウムシの正体と発生時期、「木の根元の粉」と「穴」の見つけ方、自分でできる駆除方法、そして近年神奈川県でも広がっている外来種「クビアカツヤカミキリ」の注意点まで、まとめて解説します。
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🐱 松葉「師匠!木の根元におがくずが落ちてるんですけど、だれか日曜大工でもしたんですか?」
👴 松之助「いや、それはテッポウムシのしわざじゃ。木の中に虫がいる証拠でな、放っておくと木が枯れてしまうぞ」
テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)とは?
テッポウムシは、カミキリムシの幼虫の通称です。木に穴をあけて中に入り込み、まるで鉄砲で撃ったような穴を残すことから「テッポウムシ」と呼ばれています。
成虫のカミキリムシが幹や枝に傷をつけて卵を産み、孵化した幼虫が木の内部(木質部)を食べながら1〜2年かけて成長します。この間、木は内側から食い荒らされ、水分や養分の通り道が断たれて少しずつ弱っていきます。
発生時期は6〜10月、産卵のピークは6〜7月
- 成虫の活動・産卵:6〜10月(産卵のピークは6〜7月)
- 卵:1匹のメスが約200個を産卵。約1週間で孵化
- 幼虫(テッポウムシ):木の中で1〜2年かけて食害しながら成長
つまり6〜7月は、産卵を防ぎ、入り込んだばかりの幼虫を見つけ出す絶好のタイミング。今チェックしておくことが、来年の被害を大きく減らすことにつながります。
被害を受けやすい木
テッポウムシが食害する木はとても幅広く、お庭でよく見かける次のような木が狙われます。
- バラ(株元を食害され、枯れる原因の代表格)
- サクラ・ウメ・モモなどのバラ科の木
- イチジク・カエデ/モミジ・ミカンなどの柑橘類
- エゴノキ・ヤナギ・クリ・クワ・プラタナス など
お庭にウメやサクラ、柑橘類などがある方は、剪定のついでに幹の根元もチェックする習慣をつけておくと安心です。
🐱 松葉「木の中に1〜2年も住んでるんですか!?ずいぶん長いお家暮らしですねぇ」
👴 松之助「のんきに言うでない。その間ずっと木をかじっておるんじゃ。気づいたときには手遅れ、ということも多いんじゃよ」
木の根元の「粉」と穴の見つけ方

テッポウムシは木の中に隠れているため、姿を直接見ることはほとんどありません。そこで、木が出す「サイン」から発見します。次の3つをチェックしてください。
サイン①:根元や幹のまわりの「おがくず状の粉」
最もわかりやすいサインが、根元や幹の周りに落ちているおがくず状の粉です。これはフラス(虫糞と木くずが混ざったもの)と呼ばれ、幼虫が木をかじりながら穴の外に押し出したものです。土の上に細かい木くずがこんもり溜まっていたら、すぐ上の幹に穴がないか確認しましょう。
サイン②:幹や枝にあいた小さな穴
フラスが出ている近くには、直径数mm〜1cmほどの侵入穴があります。穴から樹液がにじんでいたり、まわりの樹皮が変色していることもあります。地際(じぎわ=地面に近い幹の下のほう)に多いので、しゃがんで根元をよく観察してください。
サイン③:枝枯れ・葉のしおれ・樹勢の衰え
木の中が食い荒らされると、水分や養分が行き渡らなくなり、一部の枝だけ枯れる・葉がしおれる・全体に元気がない(樹勢が落ちる)といった変化が現れます。「最近この木だけ調子が悪いな」と感じたら、根元の粉と穴を疑ってみましょう。

🐱 松葉「なるほど!粉と穴がセットで見つかったら要注意なんですね。さっそく庭をパトロールします!」
👴 松之助「そうじゃ。とくに地際をよく見るんじゃぞ。低い位置の穴は見落としやすいからのう」
テッポウムシの駆除方法

穴と幼虫を見つけたら、できるだけ早く駆除します。自分でできる方法は主に2つです。
方法①:針金を穴に差し込んでかき出す
侵入穴に少し太めの針金を差し込み、奥にいる幼虫を直接刺したり、かき出したりする方法です。薬剤を使わないので手軽ですが、穴が曲がっていると奥まで届かないこともあります。フラスが新しい(色が白っぽい)穴ほど幼虫がいる可能性が高いので、そこから試しましょう。
方法②:専用殺虫剤を穴に注入する
針金で届かないときは、テッポウムシ用の殺虫剤を使います。代表的なのが園芸用キンチョールEで、細いノズルが付いており、穴の奥まで薬剤を届けられます。バラ・樹木類・カエデ・柑橘・イチジクなど多くの木に使えますが、必ず製品ラベルで対象の木に使えるか(適用)を確認してから使用してください。
薬剤を使うときの注意点
- 使用前に必ず製品ラベルの「適用作物・使用方法・使用量」を確認する
- 風のない日に、長袖・手袋・マスク・保護メガネを着用する
- 近くに食用の野菜・果実がある場合は薬剤がかからないよう注意する
- 成虫のカミキリムシは薬剤が効きにくいため、見つけたら手で捕まえる
※本記事は一般的な情報提供です。薬剤の使用は各製品の表示・注意事項に従ってください。効果や安全性を保証するものではありません。
要注意!外来種「クビアカツヤカミキリ」が神奈川でも拡大中
近年、在来のカミキリムシ以上に警戒されているのが、外来種のクビアカツヤカミキリです。胸(首)が赤いのが特徴で、特定外来生物(生態系に大きな被害を与えるとして法律で指定された生き物)に指定されています。
- 被害樹種:サクラ・ウメ・モモなどバラ科の木を集中的に加害
- フラスの特徴:褐色でカリントウ状の硬いフンを、根元に大量に排出する
- 神奈川県の状況:2021年に県内で初確認され、小田原市でも確認されています
もし「赤い首のカミキリムシ」や「根元に大量のカリントウ状のフン」を見つけたら、クビアカツヤカミキリの可能性があります。特定外来生物は、生きたまま運んだり飼ったりすることが法律で禁止されています。見つけた場合はその場で駆除し、お住まいの市区町村や県の窓口へ情報提供をお願いします。
🐱 松葉「カリントウ……?ぼく、おやつのカリントウなら大好きです!どこにあるんですか!?」
👴 松之助「食べ物じゃない!虫のフンじゃ!!似ておるが絶対に口に入れるでないぞ!!」
テッポウムシの予防方法
テッポウムシ対策は、入り込まれる前の「予防」がいちばん効果的です。次の3つを意識しましょう。
- 塗布剤で産卵をブロック:ガットサイドSなどの白い塗布剤を、産卵期の5〜7月に株元から主枝まで刷毛で塗っておくと、成虫が産卵しにくくなります
- 木を元気に保つ:カミキリムシは弱った木に産卵しやすいため、適切な水やり・施肥・剪定で樹勢(木の勢い)を保つことが予防になります
- こまめな点検:6〜7月を中心に、根元の粉と穴を月1回チェックする習慣を
同じ時期に注意したい毛虫のチャドクガの駆除方法や、枝に白いフワフワがつくアオバハゴロモの駆除方法、梅雨の庭木管理(蒸れ・病害虫対策)もあわせてチェックしておくと、夏の庭木トラブルをまとめて防げます。
テッポウムシ駆除をプロに任せるメリット
「穴が高い位置にある」「木が大きい」「複数の木に被害が広がっている」——そんなときは、無理をせずプロに相談するのが安心です。
- 確実な駆除:穴の場所や幼虫の有無を見極め、適切な方法で処置
- 木へのダメージを最小限に:弱った木の回復を見据えた処置と剪定
- 外来種の判別:クビアカツヤカミキリの疑いがある場合の対応も相談できる
- 他の病害虫もチェック:テッポウムシ以外の不調も同時に確認
御庭番.comでは、川崎市・横浜市を中心に、テッポウムシを含む害虫対策・庭木の健康管理を承っております。
まとめ
- ✓ テッポウムシはカミキリムシの幼虫。木の中を食べて木を枯らす
- ✓ 発生時期は6〜10月、産卵ピークは6〜7月=今がチェック適期
- ✓ 見つけ方は根元のおがくず状の粉(フラス)+幹の穴がセット
- ✓ 駆除は針金でかき出す or 専用殺虫剤を穴に注入。薬剤はラベルを確認
- ✓ 外来種クビアカツヤカミキリは特定外来生物。発見したら駆除+自治体へ連絡
- ✓ 予防は5〜7月の塗布剤+木を元気に保つ+こまめな点検
「木の根元に粉がある」「幹に穴があいて木が弱ってきた」という方は、LINEで写真を送ってご相談ください。テッポウムシかどうかの判断から、駆除・予防までサポートします。
参考・出典
- カミキリムシの生態と防除の方法|KINCHO園芸
- 園芸用キンチョールE|住友化学園芸
- クビアカツヤカミキリ(特定外来生物)について|環境省
- 特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」小田原で初確認|神奈川新聞
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