庭木剪定のコツ、失敗しない時期、切り方についてご紹介!

「庭木の枝が伸び過ぎて見栄えが悪い…。」

「生垣や庭木の枝がお隣の敷地まで伸びてしまいそう…。」

こんな時、自分で剪定をしてみようと思うこともあるかもしれません。

でも、どうやって剪定したら良いか?またどんな道具を使うべきか?

初めての方は迷ってしまうことも多いと思います。

こちらの記事では庭木の剪定のコツから必要な道具、基本的な剪定方法まで詳しく解説します。また木を傷めない切り方など剪定に失敗しないためのヒントもご紹介します。

適切に剪定できれば木はますます元気になりお庭もすっきりします。

これから庭木の剪定に挑戦してみたい皆さんの役に立つ情報をお話ししますので、ぜひ参考にしてください。

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目次

庭木の枝を剪定するときのコツ

剪定を正しく行えば庭木の病気や害虫の発生を予防し成長を促進できます。

しかし、剪定で枝や葉をたくさん切ることで木にストレスがかかることも事実です。

たとえば、木は切り取られた部分を修復するために栄養とエネルギーを消耗します。

また、切り口から感染や病気にかかる可能性もあります。木が弱ってしまったり、最悪の場合は枯れてしまうことも。

そのようなリスクを最小限にして木を健康に保つために押さえておきたいポイントをご紹介します。あらかじめコツを知っていれば初めてでも安心して剪定できるでしょう。

庭木の剪定前における準備

まず剪定前に確認することは以下の2つです。

  • 剪定に適した季節かどうか?
  • どの枝を切るべきか?

剪定には適した季節があります。通常のご家庭の庭木をすっきりした状態に保つためには年に1回行うと良いでしょう。

落葉樹(冬になると葉を落とし春になると新たに葉をつける木)は冬季の11~2月の間に1回、常緑樹(一年を通じて葉をつけている木)については夏季の5月下旬~6月の間に1回剪定をするのが理想的です。

どの枝を切るべきか見極めるのも重要な作業です。はさみを入れる前に必ず確認しましょう。具体的にはこのような枝を剪定していきます。

  1. 病気や害虫により弱った枝、すでに枯れている枝
  2. ほかの枝と交差している枝
  3. 木の中心部に向かって生えている枝
  4. 極端に長く伸びすぎた枝

このような枝があると木の形状やバランスを乱したり、木の中心が枝で混みあって風通しが悪くなります。また、木の成長を妨げたり摩擦で傷がつくこともあります。

これらの枝を適切に剪定することで木は健康に成長し、すっきりとした形状を保つことができます。

細い枝を剪定するコツ

それでは実際に枝を切る際のコツをお話ししていきましょう。

まずは枝の太さに合わせた切り方をご紹介します。

細い枝を剪定するときには芽の場所に注目しましょう。枝には内芽と外芽があります。

内芽をそのままにしておくと枝が不自然な形に伸びてしまう可能性があるため、外芽の上で切りましょう。

芽に近い位置で剪定すると芽がダメージを受けることがあります。そのため芽から5〜10㎜程離れた部分を芽が向いている方向に沿って斜めにカットすると良いでしょう。

それから、剪定はさみの使い方にも注意が必要です。はさみの刃側はとても良く切れるため木の皮にダメージはほとんどありません。しかし、受け側の木の皮はつぶれて傷がつくことがあります。そのため、切りたい枝側に受け刃がくるように、はさみの向きを調整してから切ることが重要です。

太い枝を剪定するコツ

太い枝を剪定するときはノコギリを使用します。枝を上から一気に切り落とそうとすると、枝の重みで途中で折れてしまうことがあるので、まずは枝の根元の部分から少し離れた場所で半分程度切込みを入れます。次に枝の先端側を切り落とし最後にもう一度、枝の付け根の部分で切り落とします。イラストの順番で切っていきましょう。

剪定した断面は癒合剤などを塗って保護すると傷の治りが早くなり安心です。

硬い木を剪定するコツ

硬い木を剪定するときのポイントは、枝を少し斜めにカットすることです。枝を垂直に切ろうとすると木の繊維が抵抗になってとても切りづらくなります。そこで木の繊維に対して斜めに刃を入れるとスムーズにカットできるようになります。

最後にとがった部分を切ってきれいに調整します。

この場合も切り口は最小限にしましょう。

どこを切ればよい?切り方のコツとは

つぎに枝のどの部分を切ったら良いかご説明いたします。

基本的な枝の切り方を4つご紹介しますので押さえておきましょう。

枝の付け根で切る

枝を切るときはなるべく枝の付け根で切りましょう。枝の途中で切ってしまうと残った枝が枯れて木全体に悪影響を及ぼすことがあります。また、残った枝からさらに枝が増えて木の形を乱してしまう場合もあります。

枝を付け根から切れば、切った断面もきれいに仕上がります。

枝の分かれ目で切る

枝を根元から切らない場合は枝と枝が分かれている部分で剪定しましょう。分岐点から離れた場所で切断すると切り口がふさがるのが遅くなり、枝の先が枯れやすくなってしまうからです。

それから分岐点で枝を切る基本のルールは上の枝を剪定することです。下側の枝を残すと枝はゆっくりと横方向へ成長するため、木全体の形が美しく保たれます。

一方、上側の枝を残すとその枝は勢いよく上方向に成長し、いずれは不要な枝になり樹形を乱す原因になります。

芽のすぐ上で切る

枝の長さを整えたいときは芽のすぐ上で剪定しましょう。そうすると新たに生えてくる芽が元の枝と同じ向きに成長するため木全体の形をきれいにできます。

芽を傷つけないよう枝に対してまっすぐ切ることがポイントです。

外芽を残して切る

枝の新芽にはその位置によって内芽(木の幹に向いている芽)と外芽(木の外側に向いている芽)があります。新芽は出た方向に成長しますので内芽を残して剪定すると枝は木の内側に向かって伸びてしまい木の中心部が混み合ってしまいます。

一方、外芽を残した場合は枝が木の外側に向かって伸びていくのでバランスの良い樹形にすることができます。

庭木の剪定に必要な道具

剪定をするためには枝の太さや木の高さに合わせた道具が必要です。

これから剪定をしてみたい初心者の方向けに揃えておきたい道具をご紹介します。

植木ばさみ

細い枝やガーデニング、盆栽にも使用できる園芸用のはさみです。

こちらは家庭用として日常の庭木の手入れや生け花などにも幅広く活用できます。

文房具のはさみとほぼ同じ形状で、混みあった庭木の枝も切りやすいよう、刃の先端が細くとがっているのが特徴です。

【出典】amazon.co.jp 雅琴 オールステンレス 刃長大久保鋏 200mm

剪定ばさみ

剪定ばさみは草丈が低い植物や低い木を剪定するためのはさみです。

文房具用のはさみよりも切り口が鋭くとても良く切れます。上下の刃の厚みが異なるのが特徴です。太い枝も楽にカットできるようにバネやスプリングがついているものが多いです。

【出典】amazon.co.jp岡恒 剪定鋏 200mm NO.103

刈り込みばさみ

生垣や庭木の広い面をカットして樹形を整えたり、雑草の除去に使用する刈り込みばさみ。

植物がぐんぐん育つ夏場などはお庭のメンテナンスに活躍します。

今回は広い範囲を整える「両手ばさみ」をご紹介します。

刃の長さや全長もさまざまなタイプがあります。初めてお使いになられる方は刃渡りが160mmくらいがおすすめです。全長も短くコンパクトで軽いものから使ってみましょう。

【出典】amazon.co.jp 高儀 TAKAGI アルミパイプ柄 総焼入れ 軽量刈込鋏 大 165mm

高枝剪定ばさみ

高枝剪定ばさみは高い木の枝を剪定するためのはさみです。

たくさんの種類がありどんなタイプを選んだらよいか迷ってしまいます。

そこで高枝剪定ばさみを選ぶさいの基準をまとめてみました。

剪定したい木の高さや枝の太さ、誰が使うのかなど目的に合わせて選択しましょう。

タイプ手動タイプは軽量で使いやすいが切断する時力が必要。電動タイプは重いが力はいらないので作業効率は上がります。
重量女性や高齢者は約1kg、男性は2kgまでがおすすめ。
枝の太さ手動式で10〜12mm、電動式で20mmまでが目安です。それ以上の太い枝はノコギリを取り付けられるものを選びましょう。
長さ枝の高さに合わせて選びましょう。長すぎるものは重くなりやすいため3m以内がおすすめ。地面から枝の高さまでではなく自分の腕を伸ばしたところから枝までの長さを測りましょう。
プラスの機能枝キャッチ機能は切断した枝の片付けが楽になります。スプレー缶が取り付けられるタイプは高所の害虫駆除も可能です。

大進 収納 に便利な伸縮式 高枝切鋏

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脚立

剪定用の脚立は3本の脚で支えるタイプが主流です。3脚の方が植木に近づいて作業できますし、ぐらつきにくいというメリットもあります。また、アルミニウム製のものがほとんどで軽くて移動が楽、脚が伸縮するタイプもあります。

剪定用の脚立は一般的な脚立と比べて高価なものが多く購入をためらうこともあるかもしれません。しかし、剪定に集中していると手元足元が不安定になる場合が多く、とても危険なのです。転落のリスクを少しでも減らすため作業しやすく、傾斜がある土地でもしっかり安定する剪定用脚立をおすすめします。

長谷川工業(Hasegawa)アルミ三脚グリーンステップ

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癒合剤

癒合剤は剪定した枝の切り口から雑菌や害虫が侵入しないようにガードしたり乾燥から守るなどの効果があります。効果はどのメーカーを選んでもほとんど変わりはありません。

今回はペースト状で扱いやすいこちらの商品をご紹介します。

塗布すると被膜ができて雨水が染みるのを防ぎ、病原菌の侵入も予防できます。

【出典】amazon.co.jp 日本曹達 殺菌剤 トップジンMペースト 200g

剪定シート

剪定シートは剪定後の掃除を楽にするために使います。

剪定する木の下にあらかじめ敷いておけば、地面に落ちた枝や葉を簡単に集めることができます。何も敷かずに作業をすると石や砂と混ざってしまい枝や葉を集めるときに大変苦労します。

ホームセンターなどでもたくさんの種類が売っていますので用途に合わせて選びましょう。

持ち運びに便利なのは持ち手が付いたものです。また、屋外で使用するので防水機能が高いほうが良いでしょう。大きさの目安は剪定する場所の2倍ほどのサイズです。

高儀 TAKAGI 落ち葉・剪定枝回収シート

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【図解】基本的な庭木の剪定方法

ここからは基本的な庭木の剪定方法を解説します。ご家庭でもできる方法やプロが行う技術が必要な剪定もありますので、ご自宅の庭木の状態に合わせた剪定方法を選びましょう。

間引き剪定

間引き剪定は透かし剪定とも呼ばれ、不要な枝を切って間引きをする剪定方法です。

間引き剪定を行う目的は樹形を整えて、風通しを良くすること、木全体に栄養が行き渡るようにすることです。

不要な枝を青いラインの部分で切断して木の幹の外側に伸びる枝を残します。

切るべき枝はほかの枝と交差するように伸びた枝や、同じ方向に伸びた枝、上方向に高く伸びた枝などです。

枝おろし剪定

枝おろし剪定は木を小さくしたい時に行う剪定です。太い枝をノコギリやチェーンソーで切り落とします。こちらは一度にたくさんの枝を切断するため、木に大きなストレスがかかります。そのため適切なタイミングで正しく剪定を行う必要があります。

家庭で行う剪定というよりはプロが行う技術を要する剪定です。

切り戻し剪定

切り戻し剪定は木の元気を取り戻すために行います。枝を途中で切断するとその部分にたくさん栄養が流れるようになります。そのため弱った枝がよみがえり、花や果実を大きく育てることもできます。

刈り込み剪定

刈り込み剪定は見た目を整えるために行います。生垣の面が平らになっていたり、丸く整えられたツツジなどがよく見かける例です。

庭木は日々成長していますのでどんどん枝葉が伸びていきます。枝それぞれに伸び方が違いますので木全体の形が乱れてきます。そのため、表面の美しさを保つため刈り込みが必要になります。

庭木を剪定する際の注意点

剪定は庭木に一時的なストレスがかかります。もともと弱っている木を剪定してしまうと、さらにストレスとなって木の生育を妨げてしまう恐れがあります。

また剪定によって傷ができると、そこから病原菌や害虫が侵入しやすくなります。弱った木はそれらに対して抵抗力が低いため、新たな病気などを引き起こすリスクがあります。

そのため、剪定を行う前には必ず木が弱っていないか確認しましょう。

木が弱っていないか?

もし、こんな状態が現れていたら庭木は弱っているかもしれません。

そのようなときは、自分で剪定を行うのは避けて専門家に相談しましょう。

  • 季節外れに葉が黄色くなったり、落ちたり、枯れたりしている。
  • 幹や枝に亀裂、剝れ、腐りが見える。
  • 新しい芽が出てこない。出てきても成長しない。
  • 木が傾いている。または一部分だけ異常に成長している。
  • 枝や幹にキノコなどの菌類が発生している。
  • 葉や幹に虫に食われた跡がある。

一度にたくさん剪定できるか?

一度にたくさんの枝をばっさりと切り落とす剪定を強剪定といいます。

木の成長を促すために行ったり、木の大きさを押さえるために行うこともあります。

強剪定には植物に合わせた適したシーズンがあります。落葉樹の多くは冬場、常緑樹は春または秋となっていますが、これから剪定に挑戦する初心者の方が適切な時期を判断するのは非常に難しいと思います。

長い間剪定を行っておらず強剪定が必要な庭木の場合は一度専門家に相談されると良いでしょう。

高くなり過ぎた木は自分で剪定できるか?

高くなり過ぎた木の剪定には落下事故などさまざまなリスクがともないます。そのため、一般の家庭で安全に剪定できるのは2〜3mまでとされています。

まず手を思い切り伸ばさなければ切れない高さであれば必ず脚立を使用してください。脚立に乗るときにも一番上のステップには乗らない、上をまたがないなどのルールを守りましょう。また、ヘルメットをかぶるなどの安全対策をしてから剪定を行いましょう。

まとめ

庭木の剪定は適切な方法と道具を使うことで、庭をすっきりさせ木の健康も保つことができます。しかし時には剪定で植物にダメージを与える可能性もありますので事前にしっかりと準備をする必要があります。

今回の記事では庭木の剪定の基本的な方法やコツ、道具をご紹介いたしました。

ぜひ参考にしていただき安全で効果的な剪定をしていただければと思います。

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