梅雨入り前の6月は庭木管理の重要な時期。病害虫予防から台風対策まで、今やるべき作業を分かりやすく解説。60歳以上の方でも安全にできる方法と、プロに任せるべきポイントもご紹介します。
はじめに
こんにちは。川崎市宮前区で庭木の管理をお手伝いしている御庭番.comです。
6月になると「そろそろ庭の手入れをしないと…」と思いながらも、何から手をつけていいか分からない。そんな方も多いのではないでしょうか。
実は6月は、庭木にとってとても大切な時期なんです。梅雨に入る前のこの時期に適切な手入れをしておくと、夏から秋にかけて庭木が健康に育ち、台風シーズンも安心して過ごせます。
今回は、6月にやっておきたい庭木管理のポイントを、できるだけ分かりやすくお伝えします。「これならできそう」と思うものから始めてみてくださいね。

なぜ6月の手入れが大切なの?
1. 梅雨の前に風通しを良くしておく
関東地方は例年6月中旬に梅雨入りします。じめじめした環境は、カビや病気が発生しやすい条件。今のうちに込み合った枝を整理して、風通しを良くしておくことで、病気の予防ができます。
実際のデータでは、6月上旬に適切な剪定をした庭木は、しなかった庭木と比べて病害虫の発生が約半分に抑えられるという報告もあります。
2. 夏の成長をコントロールする
多くの樹木は、梅雨明けから夏にかけて一気に成長します。6月に形を整えておくと、夏の間も美しい樹形を保てます。逆に放っておくと、秋には手がつけられないほど伸びてしまうことも。
3. 台風に備える
最近は台風の勢力も強くなっています。枯れ枝や、バランスの悪い枝は強風で折れる危険があります。今のうちに危険な枝を取り除いておきましょう。
6月にやっておきたい5つの作業

1. 透かし剪定(すかしせんてい)
透かし剪定とは?
込み合った枝を間引いて、木の内部まで光と風が通るようにする作業です。
やり方のポイント:
- 内側に向かって伸びる枝を優先的に切る
- 上下で重なっている枝は、どちらか一方を切る
- 全体の2〜3割程度を目安に間引く
注意点:
一度にたくさん切りすぎないこと。迷ったら少なめにして、後日追加で切ることもできます。
2. 病害虫のチェック
毎朝の水やりのついでに、葉っぱの様子をチェックする習慣をつけましょう。
見るポイント:
- 葉に白い粉がついていないか(うどんこ病)
- 葉に黒い斑点がないか(黒星病)
- 新芽に小さな虫がついていないか(アブラムシ)
早めに見つければ、市販の薬剤や、重曹を薄めた水などで対処できることが多いです。
3. 支柱の点検
意外と忘れがちなのが支柱の点検です。
チェック項目:
- 支柱が腐っていないか
- ひもが緩んでいないか
- 木の成長で締め付けていないか
竹の支柱は2〜3年で交換が必要です。麻ひもも1年で劣化するので、この機会に結び直しましょう。

4. 水はけの改善
梅雨に備えて、水たまりができやすい場所をチェックしておきます。
簡単な改善方法:
- 低い場所に土を足す
- 樹木の周りに浅い溝を掘る
- 落ち葉を片付けて排水口を確保する
5. 樹種別の手入れ
6月に剪定すべき樹木:
- ツツジ:花が終わったらすぐに剪定(6月中旬まで)
- ツバキ・サザンカ:花後の今が剪定適期
- アジサイ:花が終わりかけたら、花の下で切る
6月は剪定を控える樹木:
- 松:みどり摘み(新芽を摘む)程度に留める
- モミジ:強い剪定は避け、徒長枝のみ切る
- 桜:枯れ枝の除去のみ
60歳以上の方へ|安全に作業するために

自分でできる作業の目安
これならできる:
- 地面から手の届く範囲(約2m以下)
- 軽い剪定ばさみで切れる細い枝
- 平らな場所での作業
- 気温25℃以下の涼しい時間帯
これは避けましょう:
- 脚立が必要な高所作業
- 太い枝(直径5cm以上)の剪定
- 傾斜地での作業
- 暑い日中の作業
おすすめの道具
- 軽量の剪定ばさみ(200g以下)
- 伸縮式の高枝切りばさみ(脚立不要)
- すべり止め付きの手袋
- つばの広い帽子
作業のコツ
- 15分作業したら5分休憩
- 水分はこまめに(15分ごと)
- 無理だと感じたらすぐにやめる
- 誰かに声をかけてから作業する
梅雨時期の注意点

病気の予防
梅雨時期は湿度が80%を超える日も多く、カビ系の病気が発生しやすくなります。
予防のポイント:
- 水やりは朝早くに、葉にかからないように
- 落ち葉はこまめに掃除
- 風通しの悪い場所は特に注意
よくある病気と対処法
うどんこ病
- 症状:葉に白い粉
- 対処:重曹水(水1Lに小さじ1)をスプレー
黒星病
- 症状:葉に黒い斑点
- 対処:病気の葉を取り除いて処分
雨の後のチェック
大雨(30mm以上)の後は、必ず庭を見回りましょう。
確認ポイント:
- 枝が折れていないか
- 支柱が傾いていないか
- 水たまりが残っていないか
よくある質問

Q: 梅雨時期に剪定してもいいの?
A: 梅雨入り前(6月上旬)なら大丈夫です。すでに梅雨入りしている場合は、雨の合間の曇りの日を選び、切り口に癒合剤を塗ることをおすすめします。
Q: チャドクガを見つけたらどうすればいい?
A: チャドクガは触ると激しいかゆみを引き起こす危険な害虫です。発見したら:
- 絶対に素手で触らない
- 枝ごと切ってビニール袋に密封
- 不安な場合は専門業者に相談
Q: どの枝を切ればいいか分からない
A: 基本的には以下の順番で切ります:
- 枯れ枝(最優先)
- 内側に向かう枝
- 上下で重なる枝
- 全体のバランスを見て調整
判断に迷う場合は、写真を撮って専門家に相談するのも一つの方法です。
6月の庭仕事カレンダー

6月上旬(梅雨入り前)
- 透かし剪定
- ツツジの花後剪定
- 支柱の点検
6月中旬
- 病害虫チェック強化
- アジサイの花後剪定
- 排水の最終確認
6月下旬(梅雨本番)
- 雨の合間の見回り
- 病気の早期発見
- 必要最小限の手入れ
プロに頼むタイミング
以下のような場合は、無理をせず専門業者に相談しましょう:
- 高所作業が必要なとき
- 太い枝を切る必要があるとき
- 病害虫の判断がつかないとき
- 体調がすぐれないとき
- 「ちょっと不安」と感じたとき
庭仕事は楽しいものですが、安全が第一です。できることは自分で楽しみ、難しいことは専門家に任せる。それが、長く庭を楽しむ秘訣です。
まとめ|庭と長く付き合うために

6月は庭木にとって大切な時期。でも、すべてを完璧にやる必要はありません。
今日からできること:
- 毎朝、庭を見る習慣をつける
- 気になったことをメモする
- できることから少しずつ始める
庭は生き物です。完璧を求めすぎず、庭木との対話を楽しみながら、無理のない範囲で手入れをしていきましょう。
そして、困ったときは遠慮なく専門家に相談してください。私たちプロは、皆様が安全に、長く庭を楽しめるようお手伝いすることが仕事です。
梅雨の季節も、庭木たちは静かに成長を続けています。その生命力を感じながら、6月の庭仕事を楽しんでいただければ幸いです。
お庭のご相談は
御庭番.com(ワールドクリーンプロジェクト)
📞 044-982-7444
🌐 https://shop.oniwa-ban.com/
この記事は、造園施工管理技士の監修のもと作成しています。